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大饅頭選手権の中で

長くなる事を残す場として

マイカーを買おうか買うマイカー

若者の興味が自動車から離れて久しいと言う。
いっぱい稼いで、良いマンションを買い、良い自動車に乗る、そんな時代は終わったと言う。
かつての僕もそんな若者であった。とにかく自動車に乗りたいと思わない。
乗りたいと思わないので欲しいと思わない。

なにしろ自動車の解せない点は運転席が真ん中にないところだ。なぜ運転席が片側に寄っている。到底乗り物を運転するのに適した構造になっているとは思えない。理に適っていない。なぜ、一体どうして複数人で乗る事を前提で作られているのだ。俺にはろくに友達もいなけりゃ彼女なんてのもいないってのに!!!!


…と、暗いじめじめとした青春時代をアニメ・ゲームと仲良く過ごして来た僕は自転車に乗った。真剣に乗った。スピードが欲しい時は原付きやバイクにも乗った。ロンリーウルフは孤独を愛していた。


しかしそれも過去の話。
今の僕は孤独でもロンリーウルフでもない。(ハッピーキャットだ!)
私生活でそういった大きな進化を遂げた上に、今年は社会人としても大きな転機があった。
東京から名古屋への転勤である。
名古屋はずるい街だ。ここは街中で遊んでも色々あって楽しい。でも、自動車でちょっと移動するともっと楽しいところがたくさん、本当にたくさんあるのだ。(主にイオンだ!)


ある日彼女は言った。

 「あんたの錆び付いたゴールド免許… あたしがピカピカにしてやんよ!」

たしかそんな事を言っていたと思う。いやもしかしたら言っていなかったかもしれない。言葉なんて瑣末だ。とにかくそれから彼女はぼくをたきつけた。しごき続けた。ケツを叩いたり背中を押したり髪を解いてみたり突然泣き出したりそれはそれは大変だったと思う。ずっと隣で付き合ってくれた。あまりに僕が運転が下手で、どんなに怖い目に合っても、大丈夫大丈夫饅頭はすごいよと震える手で僕の汗ばんだ手を握ってくれた。そうやって、共に死線をかいくぐりながらたくさんの場所に行き、綺麗な景色を見て、気持ちいい温泉に浸かり、美味しい料理を食べた。


最初はレンタカーを借りる時も何かと理由をつけて阻もうとしていた僕だった。
日曜は彼女が寝ている間に僕が乗りたい車を勝手に借りてきた。
そしてその足で、自動車を買いに行った。


これからきっともっと楽しくなる。


…ところで、こうやって書き留めているうちに気付いた事がある。


僕は自動車を運転していたが、どうやら彼女は僕を運転していたようだ。


(ドヤァ!)